響 小説家になる方法を読みました
たぶんこのはてなブログのどこかで見たと思うんですが、どなたのブログだったかすっかり忘れてしまいました。
まあきっかけはどうあれ、気になって買って読んだことには変わりないので。
出会わせてくださった方には感謝いたします。
(誰だかわかんないけど)
それにしても、面白くて届いてすぐに読んじゃいました。
絵が下手なんじゃないかとかチラ見で思ってたんですが、面白い漫画は絵が上手いことが必須条件ではないですしね。
それに、全部が全部絵が下手というわけでもなくて、ところどころ体型とかバランスがおかしいだけで……って、絵のことはどうでもいいとして。
出版不況で本が売れないと言われて久しいですね。
私は最初の1ページしか読みもしない本を買っては積み重ねていく生活をここ数年続けておりますが。
作中に、「大昔にはたしかに「文芸の時代」はあった。でもそれは他に娯楽のなかった頃の話(2巻89頁)」という台詞がありますが、結局そういうことなんでしょうね。
他に娯楽が少ないときには小説を読んで楽しむということが、とても貴重な娯楽の一つだった、そんな時代があったんだと思います。
でも、今は他にいくらでも楽しみがある。
小説を読むなんていう、時間をかけて、想像力を働かせて、ただの文字列を追っていく作業、よっぽどの物好きしかしなくなっちゃったんでしょうね。
そして、質を問わなければ、ケータイ小説というジャンルもある。
1000円、2000円とお金を出して買わなくたって、「小説」を読みたいだけならサイトを探せば良い。
この漫画はケータイ小説の存在には触れていませんが、具体的な数字を示して、いかに本が売れないかをリアルに描いています。
でもまあ、私が着目したのはそこではなくて。
1巻168ページに「小説好きな子ってのは例外なく自分でも小説書いてるよ」という台詞があるんですが、確かにその通りですよね。
私も小説が好きだから小説を書いているところありますし。
この台詞が出て来たときには、ドキッとしてしまいました。
なんで私のことがわかるの……? と思ってしまいましたね。
いろいろ自分に照らし合わせながら読んだところがあります。
それにしても、響ちゃんは15歳。
15歳で芥川賞並みの作品を書けて、一人の編集者をここぞとばかりに動かしている。
羨ましいですね。
私もそんな作品が書きたいです。
だけどきっと、感性っていうのは生まれ持ったもので、他人の心を揺さぶるくらいの作品っていうのは、処女作でもう既に片鱗を見せてる以上の状態なんでしょう。
認めたくないけど、私にはそんな才能はないんだろうな……。
それでも私が小説家を目指すとしたら……。
天才型ではなく、秀才型になる努力をしなきゃいけないんでしょうね。
……めんどくさ。